最神奈川県庁のハードディスクが大量に流出したというニューを覚えていますか?
神奈川県、行政情報に大量流出懸念 廃棄機器転売され(日本経済新聞)
2019年末の事です。
個人情報を含む行政データが蓄積されたハードディスク。
これが転売されていたというのには本当に驚きました。
公の機関のものだけに問題も深刻です。
私たちが個人的に使っているハードディスクだって転売されたら困ります。
最近カオルPは古いパソコンの処分をしました。
データ流出が心配だったので「破壊」という手段をとることに。写真を交えて紹介します。
※本記事は2019年12月18日に公開したものを2021年3月30日に加筆して再度公開しました。
10年前以上のパソコンを処分したい!
事の発端はカオルPが友人のMさんに相談をうけたこと。
「家の整理をしている。パソコンも処分したい。でも中身の悪用・流用は心配。
ちょうど、住まいのマンションで廃品回収をしている。そこに出して安全かしら。」
聞けばパソコンの中には「ご実家の仕事上のデータ」や「個人情報」が入っている、
万一の流出は避けたい、とのこと。
となれば、データは確実に消去してから廃棄したいところだと思います。
逆に救い出したい大事な写真も入っているとのことで、
こちらのデータ救出ついての話は別記事で紹介しています。
★古いパソコンには古いメディア(古いUSBメモリ、古いSDカード)で対処せよ!
★スマートメディアは「プリンチャオ」で救済できる?データを残すには?
データを読めなくする二つの方法
ハードディスクなどの記録用媒体。
読み込みが出来ないようにするには、二つの方法があります。
- ひとつはデータ消去アプリを使って中身をしっかりと消去する
- もう一つは物理的に壊す
データ消去アプリを使う方法
アプリを使って中身のデータを消す方法です。
ただ消去するだけではなく、復元できないように消去のあとに無意味なデータを上書きします。
カメラでSDカードをお使いなら分かると思いますが「撮影データを削除」というメニューがありますよね。これ実は、データ自体は残っているのです。中身が消えたわけではなく、一見して見えなくなっているだけなのです。
うっかり「消去(削除)」してしまうこともありますよね。
そんな場合には「データ復旧アプリ」を使う事で、比較的簡単に復活できます。
ですから、データを「ゴミ箱」に入れ「ゴミ箱を空に」したから安心ではないんです。
データを消去したら、しっかりその上に「めちゃくちゃなデータ」を上書きすることによって、
中身を見えなくすることが必要になります。
書類でいうと「目隠しスタンプ」のイメージです。個人情報保護スタンプとも呼ばれていますね。
このようなスタンプです。お持ちの方も多いのではないでしょうか?
書類ではなく、データですので、スタンプというわけにはいきません、
データ消去のための「専用アプリ」を使うことで、自分で作業することは可能です。
物理的に壊す方法
もう一つは、物理的にディスクを壊してしまう方法です。
ですが、ハードディスクは金属製でとても固いものです。
壊すとなるとそれ相応の工具が必要です。具体的にはドリルで穴を開けることになります。
これは「個人情報保護スタンプ」なんてものではないですね。
書類ならシュレッダーで済みますが、ハードディスクを壊すとなると専門のところに頼む方が安全です(パソコン教室などですと、自力で破壊されているところもあるようです。)。
回収業者での対応
そもそもパソコンの処分は小型家電リサイクル法にのっとって処分する必要があります。
パソコンの中には有用金属、レアメタルが使われています。
これはしっかりリサイクルしなくてはいけません。
このリサイクル事業をきちんとやってくれる認定業者というのがあります。
認定業者に回収をお願いしましょう。
リネットジャパンは有名で、各地方自治体とも提携してます。
さて、この時「データを消去せずに出してしまってもいいのでしょうか?」
と疑問に思いますよね。国のガイドラインではこのようになっています。
●専用のデータ削除ソフトウェアの利用又は物理的な破壊等により、復元不可能な手段を採用する。
●電子媒体等を廃棄した場合には、削除又は廃棄した記録を保存する。また、これらの作業を委託する場合には、委託先が確実に削除又は廃棄したことについて、証明書等により確認する。
というわけで、リネットジャパンでは、
データ消去に関しては「自分でソフトを使って消去する」か「委託するか」選べるようになっています。
ちなみにニュースの神奈川県のケースでは、データ削除を委託したにも関わらず、
その証明書が届いていないという例でした。
データが残ったままのハードディスクを盗まれたというわけです。
まさか自分のハードディスクがそんな目に合うとは思いたくないですよね。
ですが、業者の中に悪意ある個人が勤務していたら今回のニュースのようになるかもしれませんね。
とにかくソク壊したい!
自分でハードディスクを壊す場合、危険が伴うことがあるのでオススメではありません。
第一、普通はドリルなんて持ってないかと思います。
ですが、今回は古いパソコンということもあり「データ消去ソフト」が動くかどうか
確認するのも厄介になりそうです。
古いパソコンは動作も遅いですので、ソフトが動いたとしても時間がかかる可能性も。
となると「確実にデータアクセス不能と確認したい」のであれば、物理的に壊すのが安心です。
ソフマップ(ビックカメラグループ)のHDD破壊サービス
壊してくれる業者を検索したところ、こちらがやっていました。
ソフマップ(ビックカメラグループ)のHDD破壊サービス!
ソフマップではデータ以降やバックアップなどのデータサポートもやっています。
HDD破壊を見据えてのデータサポートが必要な場合もあるでしょう。
個人にはとてもありがたいサービスです。
HDD破壊だけであれば1020円(2019年12月18日現在)というのもお願いしやすい金額設定です。
ビックカメラ有楽町店に持ち込んでみた
流れとしてはこんな感じだでしたので紹介します。
受付:注意事項や制約事項を読み、サインをします。
そしてその後、パソコンからハードディスクを取り出す作業
これは別途料金がかかります(520円。2019.12現在)。
取り出しの作業はバックヤードで行うのですが、ガラス越しで作業風景は見ることができます。
取り出すとバックヤードから持ってきて見せてくれます。
そして再び、バックヤードに。専用の機械にハードディスクを入れます。
しっかり蓋をしめて、ドリル!
これなら中の部品が飛び散って危ないということがないわけですね。
こんな感じで4箇所、がっつりと穴が開けられました!
こうして目の前でわかりやすく作業してくれるから、
目に見えないデータの消去でも、すごくわかりやすいとMさんはとても感動していました。
こうして無事にデータは守られた、Mさんはとても喜んでいました。
カオルP自身は工作好きだし、昔DIYアドバイザーという資格を持っていた事もあります。
なので、正直なところ「ドリルで自分で壊してみたい」と思ったのは余談です。
ニュースになった神奈川県のケースのように、データ消去を委託してもその過程でトラブルが起こる。
本当に心配な場合は、ここまですれば安心かと思います。
でも、やはり消去作は面倒ですし時間もかかります。それを委託できるのはありがたいこと。
委託会社における従業員の管理や作業の流れなど、しっかりと見直していただきたいものです。
何でも「捨てる」というのは大変な作業。
特に目に見えないものというのは厄介なんですよね。
大事なデータ、普段は雑に扱ってたりすることも多いもの。
データ流出の心配とは裏腹ですが、意図せずデータが壊れてしまうこともあります。
あなたも必ずお持ちの写真データも例外ではありません。
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