こんにちは。
今日は、先日仲間と見学に行った首都圏外郭放水路のレポです(見学は2020年10月)。
首都圏外郭放水路って?
首都圏外郭放水路とは、埼玉県春日部市にある、人工の地下の川です。
川と一言でいうのは大雑把すぎますが、中川・倉松川といった中小河川の洪水を地下に取り込み、
水勢を調節しつつ、江戸川に放流するための「巨大トンネル川」といったイメージ。
江戸川に流す手前で「調圧水槽」と呼ばれる巨大プールで水の勢いを弱めます。
埼玉県の中川・綾瀬川流域はお皿のような地形から水が流れづらく(図版↓)、
ひとたび洪水が起きると大きな被害をもたらしてしまいます。それを軽減する目的で作られました。
見学したのは、放水路の中で砦ともいえそうな「調圧水槽」です。ここで水勢を調整します。
巨大な柱は1本約500トン!高さは18mほど。これが59本あります。
この重さでないと、水の浮力に耐えられず、水槽が浮き上がってしまうのだとか!
さながら神殿のようなので「地下神殿」とも呼ばれています。
2019年の台風19号では、丸3日間、水を流し続けたそうです。
川からの水が入ってくるわけですから、当然土砂や魚なども入ってくる。
なので、見学のために事前にお掃除をしてくれているのですって。
実はこのお掃除も大がかりで、土砂を取り除く際には天井から重機を入れるのだとか!
人とのサイズ感はこんな感じ。ちょっと神秘的ですよね。
ここにたどり着くためには、地上から階段約100段降りる必要があります。
第1立坑
洪水を取り込み、それを調圧水槽に送り込む立坑(たてこう)というものがあります。
これが外郭放水路には5つ。
この日は見学者が少なかったので、調圧水槽の側にある第1立坑も見学させてくれました。
ここがめちゃ怖いんですよ!
撮影場所の制限もあり、この写真ではわかりづらいですね。
その怖さを伝えきれていませんが、とにかく高くて、吸い込まれてしまいそうなのです。
高いところが苦手な方は震えちゃうと思います。
洪水時にはこの立坑にジャンジャン?水が流入してくるというわけ。
2019年の台風19号ではフル稼働!
昨年2019年の台風19号では、都心で多くの方がヒヤヒヤしたのではないでしょうか。
カオルPももちろんその一人。何せいわゆる江東5区に住んでいます。
低地帯で隅田川、荒川、江戸川などの大河川やその支流が多く流れる。水害には脆弱な地勢。
江戸川区のハザードマップの表紙には「ここにいてはダメです」と書いてあることが話題にもなりましたね。
とはいえ、幼稚園時代からこの地に住んでいますが、浸水した記憶はありません。
今回、放水路に見学に行き、こんなすごいものをしっかり作ってくれていたことに改めて驚きます。
あれほど大規模な施設でもフル稼働で何とか乗りきったという感じなのですから、
こういったものがなかったら、昨今の大型台風や集中豪雨から首都圏を守ることは難しかったはずですね。
首都圏外郭放水路が“フル稼働”で台風19号から街を守っていた(FNNオンライン)
ここ数年の豪雨の激化。今後も心配ですが、
まずはこの施設を作り、稼働させてくれたことに深く敬意を表します。
興味のある方は是非、ご自身の目で見学なさってみてください。
小学生未満は見学不可。中学生以下でも大人同伴となるようです。
「龍Q館」というミュージアム施設も併設されていて学びも多いので、社会科見学として見ておきたい場所です。写真撮影も面白いですよ!
予約や詳細>>防災地下神殿
ロケ地にも!
こちらの施設、冬は暇なんだそうです。
雨が降らないからね!
「仮面ライダー」や「跳んで埼玉」のロケ地に使われたのはそんな閑散期を利用してだったそうです。
余談ですが、春日部では「藤うどん」という、とても綺麗なうどんをいただけます。
とても美味しかったですよ!オススメ。
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